| 常緑樹72 交通事故死を減らせた…次は?
東日本大震災により平成23年は、歴史上決して忘れてはならない年になった。この年、交通事故による死者数が全国で4611人と、11年連続、発生件数や負傷者数も7年連続で減少した。道内の死者数も前年に比べ25人減の190人と、なんと62年ぶりに200人を下回った。都道府県別のワースト1の記録を、平成4年から11年間連続で持つなど不名誉な順位の常連だったが、愛知・東京などに続き6番目に留まった。
一方で、全国・道内とも死者の半数が65歳以上の高齢者だ。年をとると視覚・聴覚など五感の機能が低下する。物が見えにくくなり、警告音が聞こえにくくなると事故の危険性が増す。また運動機能や反射神経も低下し、とっさの対応ができなくなる。運転中も歩行中も気をつけてつけすぎることはない。大いに注意を払いたい。昭和30年代に死者数の水準が日清戦争での戦死者を超える勢いから交通戦争という言葉が生まれ、昭和45年16765人のピークの後、いくつかの山があったものの、ようやく終焉を迎えたのか。シートベルトの着用や飲酒運転、スピード違反の取り締まり強化など様々な広報活動、啓発活動が功を奏したのだろう。ドライバーや歩行者の意識改革が進んだのは、警察はじめ救急・医療など関係機関の尽力の賜物だ。
それに対し、昨今は振り込め詐欺犯との新しい戦争が始まったと言える。今回対談で山田廣弁護士から聞いた犯人の巧妙かつ狡猾な犯罪には驚くばかりだ。3年ほど前の常緑樹「汝、騙されるなかれ」に、詐欺から身を護るのは自分自身だと書いたが、それだけではもう手に負えないところにきたようにも思える。
先日、北海道警察本部を訪問した際、ロビーに貼ってあるポスターを見て驚いた。交通事故に関するものばかりで、薬物関連の一枚を除き、今話題の振り込め詐欺関連のものは一枚もなく、チラシの類も同様だ。長く交通事故死ワースト1だった北海道だから、振り込め詐欺より交通事故を減らすことが重要かつ急務、そこに力を傾注していたことが窺える。その結果、成果が表れたことは、地元に住むものとして非常に喜ばしいことに違いないが、振り込め詐欺への対応はこれでいいのか心配になった。企業と同じく、社の方針で為すべき仕事に優先順位があり仕方がない、と言った人もいた。ホームページを見ても、確かに各警察本部が今、何に力を入れているのかが、ある程度伝わってくる。北海道は、東京や首都圏の県警などとは位置づけが異なっているように見えた。
身近にも被害にあった方がいて、決して他人事ではない。今後に注目していきたい。 |